低用量ピル・それぞれの違いや特徴

低用量ピルには種類が多く、一体どれを選んだらいいの?!と感じる方もいるかもしれませんが、有効成分の一部である黄体ホルモンの種類によって開発された世代ごとに分類されます。避妊や月経困難症(PMS)の緩和を目的として処方され、それぞれ特徴があります。当院では医師が服用の目的に合わせて適したものを処方しますのでご相談ください。

トリキュラー
トリキュラーは、黄体ホルモンとして第2世代のレボノルゲストレルが含まれています。服用時、各週ごとにホルモンの配合量が異なるよう調整された3相性と呼ばれるタイプです。第1世代薬で不正出血が多かったことから、内膜の増強のために行った黄体ホルモンの増強が男性ホルモンの活性も引き起こしたため、服用前半の摂取量が減らされています。結果、身体に取り入れるホルモンの量が、本来のリズムにより近くなるように調整されています。女性ホルモンのバランスが整うことで、避妊のほかに月経前症候群(PMS)の改善にも効果があります。

ラベルフィーユ
ラベルフィーユはトリキュラーの後発薬です。効能や副作用の可能性はラベルフィーユと基本的に同様です。

マーベロン
マーベロンは、黄体ホルモンとして第3世代のデソゲストレルが含まれています。21錠全てに含まれるホルモンの配合量が同じで1相性と呼ばれるタイプで、ホルモンの変動を起こさず体調の変化が起きにくいというメリットがあります。第2世代薬では男性ホルモンの活性が高まったため、黄体ホルモン活性を相対的に高めることでこれを抑え、肌荒れやニキビ、気分の改善など副次的な効果も得ることができるようになりました。

ファボワール
ファボワールはマーベロンの後発薬です。効能や副作用の可能性はラベルフィーユと基本的に同様です。

「世代」「相性」による分類表 相性とは世代とは
相性世代 第1世代 第2世代 第3世代 第4世代
有効成分名 ノルエチステロン レボノルゲストレル デソゲストレル ドロスピレノン
1相性  

 

marvelonマーベロン

favoirファボワール

ヤーズ
2相性
3相性  

シンフェーズ

triquilarトリキュラー

labellefilleラベルフィーユ

2つの有効成分

低用量ピルには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)と呼ばれる2つの女性ホルモンが配合されています。まず、エストロゲンについては全て同じ種類のもの(エチニルエストラジオール)が含まれますが、プロゲステロンについては、その種類と開発順により4世代に分けられます。

低用量ピル二つの主成分

3つまである相性(そうせい)

低用量ピルは1シート内の女性ホルモンの配合のしかたで分けられ、これを相性(そうせい)といいます。1相性ピルはホルモンが含まれている21錠の成分が全て同じです。ホルモンの変動を起こさず体調の変化が起きにくいというメリットがあります。2相性ピルは1シートのうち2つのホルモンの配合量が異なる2種類の薬が入っているもの。3相性ピルは21錠中のホルモン量が1週間ごとに変えてあります。実際の体内では、これら2つのホルモンは月経周期中に複雑に分泌量が変化してるので、1よりは3相性のほうが実際の身体の状態に近くなります。※28錠タイプでは、うち7錠が飲み忘れを防ぐ目的の無害なダミー薬です。

ホルモンの配合パターン

低用量ピル21錠・28錠タイプ

4つある開発世代

また、低用量ピルは含有する黄体ホルモンの種類により、第1世代「ノルエチステロン」、第2世代「レボノルゲストレル」、第3世代「デソゲストレル」、第4世代「ドロスピレノン」という成分が入っています。血栓症や吐き気などの副作用の緩和を目的で変遷したものですが、この他に卵胞ホルモンとしてエチニルエストラジオールという成分が共通で含まれています。

第1世代「ノルエチステロン」
もっとも古くから使用されていたピルで、ノルエチステロンと呼ばれる黄体ホルモンを使用しており、出血量が減りやすく月経困難症のコントロールにも優れていますが、場合によって副作用が出やすい傾向があります。

第2世代「レボノルゲストレル」
第1世代で不正出血の頻度が高かったため、内膜維持作用を増強するためレボノルゲストレルと呼ばれる黄体ホルモンを用いた一方、プロゲスチン(黄体ホルモン)活性とともにアンドロゲン(男性ホルモン)活性も強くなったため、服用前半の黄体ホルモン量を少なくし、後半にかけて段階的に増やす方法(3相性)で、副作用とアンドロゲン量を減らす工夫がされています。※トリキュラー、ラベルフィーユが該当します。

第3世代「デソゲストレル」
第2世代でアンドロゲン活性が強まったため、デソゲストレルと呼ばれる黄体ホルモンを使用し、プロゲスチン(黄体ホルモン)活性を強めて相対的にアンドロゲン(男性ホルモン)活性を抑え、第2世代に比べてニキビや肌荒れにも副次的な効果が得られます。※マーベロン、ファボワールが該当します。

第4世代「ドロスピレノン」
ドロスピレノンと呼ばれる黄体ホルモンを使用しており、超低用量化されているので副作用が起こりにくいことが特徴です。主に月経困難症(PMS)の治療に用いられ、一般的に避妊の選択肢にはなりません。

世代別ピル

4種類ある用量

1錠あたりに含まれる黄体ホルモン含有量が50㎍以上を高・中容量、30~40㎍を低用量、20㎍のものを超低用量に分類されます。高・中容量は副作用の点からあまり用いられず、超低用量は避妊目的では使用されません。避妊も含めた月経困難症(PMS)の緩和を目的として現在一般的に処方されているのは低用量にあたります。

ウィメンスヘルスケア・オンラインで扱う低用量ピル

避妊効果が確実に期待できるのは、服用開始から8日以降です。内服を始めて7日間はコンドームなど、別の避妊方法もとって下さい。正しく服用していれば、2シート目以降は1日目から避妊効果があります。ただし、ピルの避妊率は99%であり完全ではありません。飲み忘れがない場合でも妊娠する確率が0.3%はあるとされていますから、飲み忘れには注意しましょう。※飲み忘れた場合には
当院ではトリキュラー(その後発薬ラベルフィーユ)、マーベロン(その後発薬ファボワール)の低用量ピル4種を扱っています。これらの4つは安全性が高く、用法を守った服用でしっかりとした避妊および月経トラブルの軽減効果があります。当院では、ご自身の症状や悩み、体質に合わせたものを処方しますのでしっかりご相談ください。

※緊急時に使用する「アフターピル」の処方はこちら