局所に塗る女性ホルモン軟膏剤 ヒメロス

更年期やストレスに伴って分泌が減少した女性ホルモンを、自然基材でつけ心地の良い軟膏で補充する塗り薬です。更年期に起こる不定愁訴(のぼせ、ほてり、冷え、イライラなど)やいわゆる不感症(陰部の濡れ不足、性交痛)に効果が期待できます。デリケートな膣の粘膜に直接塗布しますが、少量で容易に吸収されます。

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女性ホルモンの急激な減少は、閉経の前にある若い世代でも、婦人神経衰弱といって非常に強いストレスや極端なダイエットなどによってホルモン分泌のバランスが崩れ、更年期障害に似た症状を呈することがありますがこの各症状にも使用できます。発売以来50年以上の実績があり、安心して使える薬といえます。

ヒメロスの使い方

塗布する量 ヒメロス塗布量チューブ先端部から3~7mmほどを指先にのせる
*この薬の必要量は個人差があるので、はじめは1日チューブから3mm程度の量で試しながら、最大量:1回につき約12mmを1日2回まで、適宜増量してください。
塗布する回数 1日1回(入浴後から就寝前)
又は2回(朝と晩)
塗布する箇所・方法 指先にのせた薬剤をごく少量の水などで少しのばして、女子局部の粘膜(腟内部)に塗布
塗布と生理のタイミング

生理終了後から2週間使用し、その後、次の生理が終わるまで使用を休んでください。閉経後の方、生理不順で長く生理がない方はすぐ使用できます。2週間使用後、2週間以上使用を休むサイクルです。妊娠中は使うことが出来ません。

ヒメロス 使用サイクル

塗布をやめるタイミング

症状が軽快すれば使用を止めます。再発した場合は、再び同様の方法で使用して下さい。

ピル(避妊薬)との併用はできません

注意:ピル(及び女性ホルモン製剤全般)との併用は、避妊率への影響、卵胞ホルモンの過剰投与に伴う不測の事態を高める可能性があるので、決して行ってはなりません。

ヒメロス概要

製品名 ヒメロス
製品特長 女性ホルモン軟膏剤(指定第2種医薬品)
外装箱イメージ ヒメロス外箱
製品イメージ ヒメロスチューブ
効能 不感症、冷感症、不妊症、婦人更年期障害、婦人神経衰弱
成分分量 3g中 エチニルエストラジオール           0.02g     合成卵胞ホルモン
エストラジオール           0.06g     卵胞ホルモン
処方価格 3,500円(6~20回分)
製造会社 大東製薬工業
添付文書添付文書
添付文書ENpackage insert Himeros 添付文書CN女性激素软膏剂 希莫勒斯
*バストミン使用上の注意はこちらを参照

ヒメロスとバストミンとの違い

有効成分と含有量は変わらないので効き目は基本的に同じです。これらの最大の違いは基材の違いです。日本薬局方の規定によりヒメロスは軟膏、バストミンはクリームに分類されます。

乳化したクリームであるバストミンの方が一般的に塗心地が良く感じられ、陰部以外の柔らかい部分、陰部においては外陰部へ塗布するのに適しています。一方、膣粘膜のようによりデリケートな部分には、軟膏であるヒメロスがより適しています。

ヒメロスの基材(有効成分以外の材料)には防腐作用があります。塗布時に熱を持った独特の使用感を与える白糖、潤いを与えるグリセリン、粘膜によく吸着するラノリンが含まれています。

ヒメロスとバストミン比較

ヒメロス バストミン
ヒメロスチューブ バストミンチューブ
日本薬局方の規定 軟膏 クリーム
塗布箇所 膣粘膜 腕、腰など陰部以外と外陰部
塗った時の印象 少しあたたかい さらりと冷たくべとつかない

 

女性更年期障害とは

閉経前後の5年間を併せた10年間を「更年期」と呼びます。更年期に現れるさまざまな「更年期症状」の中でも日常生活に支障があるほど重いものを「更年期障害」と言います。女性ホルモンは、自律神経を司る脳の視床下部からの指令により卵巣から分泌されますが、加齢などで卵巣の機能が衰えると、視床下部からの指令に従うことができなくなります。そこで通常の何倍もの指令を出すために、主に自律神経の乱れとしての様々な症状が現れてきます。この他に生来の性格などの心理的因子、自身を取り巻く人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症します。

女性更年期障害の症状

更年期障害は症状は多岐にわたりますが、これらが他の病気による症状ではないことを確認する必要があります。また近年注目されているものにGSM(閉経後泌尿生殖器症候群)もあります。この症候群は膣内の潤いの不足や、ここから生じる不感症、性交痛、尿のコントロールのしづらさなど、泌尿器に感じる不便さを表します。ヒメロスはこの部位(膣内部)に直接塗布する軟膏です。

更年期 身体症状身体的な症状の例
ほてり、のぼせ、発汗、めまい、頭痛、足腰や関節の痛み、冷え、しびれ、だるさ、皮膚の乾燥、ドライアイ、など
更年期 精神症状精神的症状の例
不安感、気分の落ち込み、意欲低下、イライラ、情緒不安定、不眠など
GSM(閉経後泌尿生殖器症候群)とは

閉経を機に女性ホルモンが低下した時に生じる、女性器に関する諸症状のこと。以前は老人性膣炎と呼ばれていましたが、2014年に国際女性性機能学会において新たな概念として提唱されました。慢性的かつ進行性もあり、閉経後の女性の約半分が何らかの症状を持つと言われています。

GMS症候群

GSM症状の例
陰部の潤いの不足、かゆみや痛み、頻尿、尿漏れ、性交痛、性交後の出血

更年期障害を解消するには

更年期障害の薬物療法は大きく4つに分けられます。

1. ホルモン補充療法(HRT)

更年期障害の主な原因がエストロゲンのゆらぎと減少にあるため、少量のエストロゲンを補う目的でホルモン補充療法:HRTが用いられます。HRTに用いるホルモン剤には飲み薬、貼り薬、塗り薬(ヒメロス)などさまざまなタイプがあります。

2. 医療用漢方

漢方薬はさまざまな生薬の組み合わせで作られており、全体的な心と体のバランスの乱れを調整します。更年期女性の抱える様々な症状に対し、各人の証(体質・体力・症状の現れ方などの個人差)を診たうえで処方されます。

ウィメンズヘルスケアオンラインでは「当帰芍薬散」「加味逍遥散」を中心に、医療用としての「満量処方」を行っています。

漢方製剤医療用漢方の処方

 

3. 向精神薬による治療

不安感や意欲の低下、情緒不安定、不眠などの精神症状が辛い場合は、抗不安薬や抗うつ薬などで対処することがあります。

4. 運動療法

加齢で進む盤底筋の筋力低下によって尿漏れ、足腰の痛み、また肩こりなどが生じます。骨盤底筋とは、骨盤の底にある筋肉の総称で、臓器を下から支え、排尿、排便のコントロールに関わります。理学療法士の指導を受けながら行いますが、自宅でもできることがあります。この体操で?と少し疑問に感じたとしてもやって損することはありません。時間を見つけて試してみましょう。

ケーゲル体操は試す価値あり
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男性ホルモンの減少による諸症状に

女性、男性はともに量の差はあっても、女性ホルモン、男性ホルモンの両方が体内に存在します。女性は女性ホルモンが閉経や激しいストレスなどによって急激に減少することで、ほてりや発汗といった代表的な更年期症状のほかに「不感症」「性交痛」として泌尿器に不調があらわれることがあります。一方、男性の場合は男性ホルモンの減少はゆるやかに進行し、はっきりしたタイミングを感じることがありません。このため気づかないうち、のぼせやイライラ、性機能の衰退など症状が進行することがあります。*使用者男性に処方されます

男性ホルモン塗布軟膏
トノス
男性ホルモン塗布クリーム
グローミン

トノスチューブ

早漏治療塗布薬

グローミンチューブ

男性ホルモン塗布薬

泌尿器のことでもう悩まないために

日本では女性の平均寿命が90歳に近づこうとしています。その意味でも更年期はまだまだ人生の折り返し地点です。この時期に起きる様々な問題に「こんなものだろう」と易々と甘んじてはいけません。人生の折り返しから、またストレスからも自身を開放して快適な生活を送るために、適切な治療を積極的に選びましょう。

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ヒメロス使用上の注意

使用してはいけない人

・ヒメロスまたはヒメロスの成分によりアレルギー症状を起こしたことがある
・パッチテストで異常があった(使用前にチューブから3mm程度出し、水又はお湯1〜2滴でよくねり、内股など皮膚のうすい所に塗り、翌日中に薬疹、発赤、かゆみ、はれなどの症状があらわれた)
・血栓症、子宮内膜症、脳卒中、心疾患、腎疾患のある人又はその既往歴がある
・乳房又は子宮、卵巣に腫瘍がある人およびこれらのおそれがある人
・家族あるいは本人に悪性腫瘍の病歴がある
・子宮筋腫、糖尿病、高血圧、てんかん、肝機能障害がある
・生理中の人、不正性器出血、腟分泌物(おりもの)がある
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性、授乳婦
・小児

使用してはいけない部位

・目や目の周囲
・外傷、湿疹、ただれ、炎症および化膿のひどい患部

ヒメロス使用中に併用できない薬、食品
ヒメロスと同じ成分を含んだ医薬品(ピルなど)、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、イプリフラボン
使用時の注意

・使用後は石鹸とぬるま湯で手を十分に洗う。
・使用者以外の人に付着させないように注意する。付着した場合は直ちに洗い流す。
・避妊の目的で使用しではならない。
・ヒメロスの使用により月経周期が変わることがあるので、オギノ式など規則的な月経周期や基礎体温を応用する避妊法は避ける。
・ヒメロスを初めて使用する場合、乳房と子宮の検診がすすめられる。また、使用開始後は定期的に、乳房と子宮の定期検診がすすめられる。

使用の検討前に医師に相談が必要な場合

・他の疾患の治療で医師の治療を受けている人
・薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人

ヒメロスの副作用

ヒメロス使用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに使用を中止して医師に相談してください。

関係部位    症状
皮膚 発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、はれ
乳房 痛み、緊満感
消化器 吐き気、嘔吐、食欲不振
その他 頭痛、むくみ、めまい

・生理の周期および月経血の様子が著しく変調した場合は、直ちに使用を中止して医師、に相談してください。
・2週間位使用しても症状の改善がみられない場合は、医師に相談してください。
・誤った使い方をしてしまった場合は、直ちに使用を中止し医師に相談してください。

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