【抑肝散】漢方における「肝」のはたらきをコントロール

漢方でいう「肝」とは肝臓そのものの意のほかに、自律神経などのはたらきを含めた神経系の機能全体のことをいいます。「肝」の状態がよく保たれていることは「気」「血」の良好な循環につながり、ストレスへの耐性を上昇させ、自律神経を安定させることにつながります。

抑肝散 054
抑肝散
ヨクカンサン

添付文書 抑肝散

添付文書

「肝」の高ぶりと、それに伴う症状を抑制

漢方では「肝」が高ぶると、怒りっぽくなったり、イライラしやすくなると考えます。「抑肝散」は字のごとく「肝」の高ぶりを抑制することから名づけられた漢方薬です。もともとは子どもの夜泣きや、癇癪に使われていた薬でしたが、現在は成人に対しても、怒りっぽい、イライラしやすい、興奮しやすい場合に用いられます。

配合生薬
当帰(トウキ) 釣藤鈎(チョウトウコウ)
川芎(センキュウ) 蒼朮(ソウジュツ)
茯苓(ブクリョウ) 柴胡(サイコ)
甘草(カンゾウ)
作用と効果

神経症、不眠症、小さな子供の夜なきや疳の虫の治療など。通常、虚弱体質で神経がたかぶりがちな人に使われます。

使用上の注意

処方薬、市販薬あるいは食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状の経験があるとき、妊娠または授乳中である、他に継続して服用中の薬がある、場合は医師との相談が必要です。

用法・用量

この薬は煎じたりして使う生薬そのものではなく、生薬と同じ成分を含む顆粒で、医師から処方される医療用漢方製剤です。ドラッグストアなどで手に入る一般用漢方製剤は、成分は基本的には同じでも、安全性が考慮され成分量が少なく設定されています。84包(28日分)を一単位として処方されます。年齢・体重・症状により適宜増減されることがありますが、指示された服用方法に従ってください。

副作用について
発疹、皮膚の赤み、かゆみ、食欲不振、胃の不快感、悪心、下痢、眠気、だるさなど

これらのような症状に気づいたら、または気になることがあれば、オンライン診療(相談料はかかりません)のほか、問合せフォームや電話でご連絡下さい。