作成又は改訂年月
*2022年2月改訂(第2版)
2019年2月作成

日本標準商品分類番号
872549

薬効分類名
緊急避妊剤

承認等
販売名:レボノルゲストレル錠1.5mg「F」

販売名コード
254900AF2032

承認・許可番号
23100AMX00128

薬価基準収載年月
薬価基準未収載

販売開始年月
2019年3月

貯法・使用期限等
貯法:遮光、室温保存
使用期限:外箱に表示(3年)

規制区分
処方箋医薬品注) 注意—医師等の処方箋により使用すること

組成
有効成分:レボノルゲストレル
含量(1錠中):1.50mg
添加物:トウモロコシデンプン、ポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物

性状
色・剤形:白色の素錠

外形

大きさ
直径:約7mm
厚さ:約3.6mm
質量:140.0mg

識別コード
FJ74

一般的名称
レボノルゲストレル錠

禁忌
(次の患者には投与しないこと)
(次の患者又は女性には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある女性
2.重篤な肝障害のある患者[代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。]
3.妊婦(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

効能又は効果
緊急避妊
効能又は効果に関連する使用上の注意
1.*本剤投与により完全に妊娠を阻止することはできない。(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
2.本剤は、避妊措置に失敗した又は避妊措置を講じなかった性交後に緊急的に用いるものであり、通常の経口避妊薬のように計画的に妊娠を回避するものではない。(「重要な基本的注意」の項参照)

用法及び用量
性交後72時間以内にレボノルゲストレルとして1.5mgを1回経口投与する。

用法及び用量に関連する使用上の注意
本剤を投与する際には、できる限り速やかに服用するよう指導すること。

使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
(次の患者又は女性には慎重に投与すること)
1.肝障害のある患者(「禁忌」の項参照)
2.心疾患・腎疾患又はその既往歴のある患者[ナトリウム又は体液の貯留により症状が増悪することがある。

重要な基本的注意
1.本剤は性交後に妊娠を回避するためのものであり、計画的に避妊する場合は、可能な限り避妊効果の高い経口避妊薬などを用いて避妊すること。
2.本剤投与後も妊娠する可能性があるため、適切な避妊手段を指導すること。
3.*本剤の投与に際しては、妊娠していないことを確認すること。また、問診等により、肝機能異常、心疾患、腎疾患及びその既往歴の有無を確認すること。
4.本剤投与後には、不正性器出血や妊娠初期の出血を月経と区別できない場合もあることから、月経周期を考慮し適切な時期に再来院するなど指導を行うこと。
5.重度の消化管障害又は消化管の吸収不良症候群がある場合、本剤の有効性が期待できないおそれがある。

相互作用
併用注意(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
抗けいれん薬
フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、カルバマゼピン
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
エファビレンツ
リファブチン
リファンピシン

臨床症状・措置方法
本剤の効果が減弱するおそれがある。

機序・危険因子
これらの薬剤は肝の薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。

2. 薬剤名等
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

臨床症状・措置方法
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。

機序・危険因子
この食品は肝の薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。

副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1. 精神神経系(頻度不明)
頭痛、傾眠、浮動性めまい、体位性めまい、不安
2. 生殖器(頻度不明)
消退出血、不正子宮出血、月経過多、月経遅延
3. 消化器(頻度不明)
悪心、下腹部痛、下痢、腹痛、嘔吐
4. 血液(頻度不明)
貧血
5. その他(頻度不明)
けん怠感、異常感、口渇、熱感、疲労、末梢性浮腫、乳房圧痛

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.*妊婦には投与しないこと。[既に成立した妊娠には、本剤の有効性は期待できない。]
2.*海外で実施された観察研究において、レボノルゲストレルを緊急避妊に使用したにもかかわらず妊娠に至った場合の児の奇形、流産等の発現割合は、非投与の場合と比較して差は認められなかったとの報告がある。1)
3.本剤の成分は乳汁中に移行するので、本剤の投与後24時間は授乳を避けるよう指導すること。

過量投与
悪心、嘔吐又は消退出血が起こる可能性がある。

適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

その他の注意
*緊急避妊に使用した場合の報告ではないが、他の黄体ホルモン製剤を使用した妊婦からの出生児において外性器異常の報告がある。2)

薬物動態
生物学的同等性試験
レボノルゲストレル錠1.5mg「F」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(レボノルゲストレルとして1.5mg)健康成人女性に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。3)※血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

薬効薬理
本剤の避妊効果は排卵抑制作用、受精阻害作用及び受精卵の着床阻害作用を含むいくつかの要因が関与すると考えられている。4)
有効成分に関する理化学的知見

一般名
レボノルゲストレル(Levonorgestrel)

化学名
(-)-13-Ethyl-17-hydroxy-18,19-dinor-17α-pregn-4-en-20-yn-3-one

構造式

分子式
C21H28O2

分子量
312.45

性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
テトラヒドロフラン又はクロロホルムにやや溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はアセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。

融点
235〜241℃

取扱い上の注意
1.外箱に入れ直射日光を避けて保管すること。
2.外箱を開封後、できる限り速やかに使用すること。
3. 安定性試験最終包装製品を用いた加速試験(40±2℃、相対湿度75±5%、6ヵ月)の結果、レボノルゲストレル錠1.5mg「F」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。5)

包装
レボノルゲストレル錠1.5mg「F」:1錠(PTP)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
*Zhang, L. et al.: Human Reproduction. 2009; 24 (7) : 1605-1611
2)
*Huggins, G, R. et al.: Fertility & Sterility. 1990; 54 (4) : 559-573
3)
富士製薬工業株式会社 社内資料 (生物学的同等性試験)
4)
グッドマン・ギルマン薬理書(下)薬物治療の基礎と臨床 (廣川書店) 第12版 , 1490-1529 (2013)
5)
富士製薬工業株式会社 社内資料 (安定性試験)

文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

富士製薬工業株式会社 富山工場 学術情報課
〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
*(TEL)0120-956-792
(FAX)076-478-0336
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
富士製薬工業株式会社
富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地