クラミジアは、クラミジアという細菌が原因となる性感染症です。性別、感染箇所によって症状は異なります。いくつかある性感染症のなかでもっとも感染者数が多く、日本国内では毎年ほぼ25,000人で推移しています。クラミジアと淋病は同時に感染するケースが多く見られるため、どちらか一方の感染が疑われるときは、もう一方の確認も行うことをすすめます。性感染症のなかでもっとも報告数が多いにもかかわらず、感染した女性の8割、男性の約5割で症状を感じないため、感染に気付くのを遅くする原因となっています。
クラミジアの症状は？
感染箇所が性器か咽頭か、また性別によって症状が異なり、検査もそれぞれに応じたものが必要です。
女性
女性は男性に比べ目立った症状が現れにくいことが、検査や受診の機会を逃してしまう要因となっています。気づかないまま放置すると卵管の狭窄などを引き起こして不妊の原因になる場合があります。また、妊婦が感染している場合、産道で感染することによって赤ちゃんに肺炎や結膜炎が現れるなどの危険性があります。
男性
感染から1～3週間前後で排尿時に不快感を感じたり、尿道から白っぽい膿がでることがあります。あったとしても症状が軽いため、放置すると前立腺炎などに進行し、不妊の原因になることがあります。
性器・咽頭以外の箇所
原因菌が付着した手などで目や鼻の粘膜を触ったり、オーラルセックスで咽頭部に感染すると、咽頭部の腫れや痛みが現れることがありますが、これも程度が軽いため発見の遅れにつながっています。
| 女性 |  |
おりものの増加 不正出血（生理ではない出血） 下腹部の痛み |
| 男性 |  |
排尿時の痛み（軽い） 尿道に痒みのような違和感 尿道から少量の分泌物 |
| 男女 |
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| 咽頭、直腸、結膜（目）へも感染し、軽度の炎症を除いて多くは無症状のままですが、その後体内に広がる可能性があります。 | ||
クラミジアの感染経路は？
クラミジアは感染した人の腟分泌液・精液などに存在し、性行為で体の粘膜と原因菌との接触で感染します。ただクラミジア自体は非常に弱い細菌なので、人の体から離れればすぐに死滅します。そのため性行為以外での接触やウイルスのように飛沫感染することはありません。ただし感染者との性交渉での確率は50%以上と高く、クラミジアに感染しているとHIVなどほかの性感染症の感染率も高まりますので注意が必要です。
クラミジアと潜伏期間と検査時期は？
感染して症状がなくても体内では炎症が広がっており、他人に感染させる力も持ったままです。日常生活に問題を感じなくても心配なことがあれば、先ずはセルフ検査キットで感染の可能性を確認してみることは重要です。症状が現れるまでの潜伏期間は1～3週間ですが、問題があったと感じる性行為から24時間以降であれば感染の可能性をチェックできます。
クラミジアの治療は？
クラミジア感染症の治療には、抗菌薬で治療を行います。 感染部位が性器の場合、お互いに感染している可能性が高くなります。ご自身の感染が判明したら、パートナーの検査・治療も強くすすめられます。また薬剤耐性のある原因菌が見つかっているので、症状がよくなったからといって自己判断で薬を中断せず、かならず医師の指示通りに薬を飲んで下さい。
クラミジアの予防は？
コンドームを使うことで、原因菌と粘膜の接触が防げます。治療を行っても免疫はできませんので、予防策なしに感染者と性交渉を行うと容易に再感染します。気付かないうちに他者にうつす・うつされる状態を繰り返すいわゆるピンポン感染も報告されています。また不特定多数との性行為が多いなど、性的な活動が高ければ定期的な検査を行うこともご自身の身体のために重要です。
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