【当帰芍薬散】全身の血のめぐりを良くし、水分の代謝も整える
身体のなかでは「血」が栄養素や酸素を運んでいますが、これが少ないかうすいと栄養素や熱が身体の隅々まで行き渡りません。このような状態では体の偏った場所に水分が滞留して冷えを起こし、冷えをはじめとするさまざまな症状を引き起こします。当帰芍薬散は全身の血行を良くするのと同時に水分の代謝を整えます。
023 当帰芍薬散 トウキシャクヤクサン |
冷えをともなう婦人科系の諸症状に
「瘀血(おけつ)」とは漢方独自の概念で、血液が一定箇所に留まることで種々の障害をきたすことをいいます。当帰芍薬散は「血(けつ)」の不足から生じる血行障害や鬱血を防ぎ、血液の循環をよくして、体を温める「駆瘀血剤(くおけつざい)」の一つです。「産婦人科の三大漢方薬」とされています。女性では特に月経にかかわる諸症状、更年期障害などに用いられるほか、産前産後の身体の不調にも使われます。やせて体力のない「虚証(きょしょう)」の人に起こるめまい、肩こり、腰痛、足腰の冷え、しもやけ、むくみ、耳鳴りなどの改善にも役立ちます。
配合生薬
当帰(トウキ) | 川芎(センキュウ |
芍薬(シャクヤク) | 茯苓(ブクリョウ) |
蒼朮(ソウジュツ) | 沢瀉(タクシャ) |
作用と効果
貧血、倦怠感、めまい、肩こり、更年期障害、月経不順、月経痛、妊娠中の諸症状。通常、疲れやすく、足腰の冷えやすい人に用いられます。
使用上の注意
処方薬、市販薬あるいは食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状の経験があるとき。心臓、甲状腺機能、に障害(またはその既往歴)がある、重度の高血圧がある、妊娠または授乳中である、他に継続して服用中の薬がある、場合は医師との相談が必要です。
用法・用量
この薬は煎じたりして使う生薬そのものではなく、生薬と同じ成分を含む顆粒で、医師から処方される医療用漢方製剤です。ドラッグストアなどで手に入る一般用漢方製剤は、成分は基本的には同じでも、安全性が考慮され成分量が少なく設定されています。84包(28日分)を一単位として処方されます。年齢・体重・症状により適宜増減されることがありますが、指示された服用方法に従ってください。
副作用について
発疹、かゆみ、体のだるさ、食欲不振、胃に不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢など |
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