肥満と防風通聖散

どんな人にすすめられるか

食欲旺盛が旺盛で、日頃から食べ過ぎると代謝が追い付かず、余計な脂肪や熱が身体に蓄積します。また、胃腸の運動機能も悪くなるため、便秘にもなりがちです。このように肥満や便秘など、不要なものが溜まって身体の機能が阻害されている状態を漢方では「実証（じっしょう）」と呼びます。防風通聖散は、「実証」の方に処方される漢方薬です。

また、次に挙げる薬の使用をお考えの方に対する代替薬でもあります。

防風通聖散のはたらき方

防風通聖散は18種類の生薬で構成され、特に次の生薬が肥満に対する効能を持ちます。

ほかに、発汗や血行を促進し、余分な水分や老廃物を排出させることで、むくみを解消します。また、胃腸の調子を整え消化を促進する効能もあるため、便秘の解消も期待できます。便秘が続くと水分や脂質が再吸収され、皮下脂肪に蓄えられます。このため、防風通便秘を解消することは皮下脂肪の増加を抑えることにもつながります。ほかに、炎症を取り除く効果もあるので、蓄膿症、ニキビ、高血圧や肥満に伴う肩こりやのぼせなどにも用いられます。

どのくらいで効果が現れるか

最短でも2週間～1ヶ月程度飲み続けると効果を感じ始めます。肥満の状況や体質により、効果が現れ始める時期はひとによって異なります。しかし1ヶ月以上服用してもその効果が感じられない場合は、体質（漢方でいう「証」）に合っていない可能性が考えられますので、医師に相談して下さい。

使用中の注意

防風通聖散の使用は交感神経が活性化されることによって、循環器や消化器などさまざまな部分に作用が及びます。これらの作用と重なる別の薬を使用している場合は併用に注意が必要になることがあるので、診察の際に医師にご相談下さい。

西洋医学と漢方

西洋医学は一般的に、ある症状だけを治療の目的とします。（例：肥満←脂肪を吸収させない）元から身体が持つ自己回復力を薬が肩代わりするかたちとなり、薬のはたらきが及ばなくなると元の状態に戻ってしまうこともあります。*西洋医学と漢方の違い

漢方は体本来がもつ恒常性を高めるよう作用して、自身の力で正常な状態に戻そうとすることを助ける薬です。適正な体重・脂肪量を保てる身体に近づけることを目的とします。防風通聖散は肥満症に対して長い間使われている代表的な漢方薬です。病気の原因は無理やりにでも取り除くか、またはもとから断つか、ご自身のお考えに合った治療を選択することが重要です。医師にご相談下さい。

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