アライとは

アライは2024年4月に肥満を予防する肥満予防薬として発売予定です。この薬は、摂取した脂肪の一部が分解されず体外へ排出することで、体内の脂肪の蓄積を抑えます。

有効成分であるオルリスタット

オルリスタットは、摂取した脂肪を消化管内で分解する酵素であるリパーゼの作用を阻害します。食事から摂取した脂肪のうち、吸収されなかった分として約25%が便としてそのまま体外へ排泄されます。

肥満治療薬リベルサス(セマグルチド)との違い

同じく2024年2月に発売されたウゴービおよびリベルサス(セマグルチド)は肥満症治療薬で、肥満症を予防するリパーゼ阻害薬であるアライ(オルリスタット)とは異なります。

肥満予防-治療薬の比較

アライはなぜ肥満症治療薬ではない?

肥満を予防するリパーゼ阻害薬について、2013年にアライに似た作用を持つオブリーン(セチリスタット)は、この薬の保険医療上の必要性が乏しいと判断され、日本では発売されないこととなりました。このような経緯から、オブリーンの類似品であるアライは肥満症治療ではなく、肥満を予防する薬としての発売を目指すことになったと考えられます。

アライの購入

アライは医師の処方なしで買える市販薬ですが、要指導医薬品に位置づけられます。このため、ふつうの風邪薬などとは異なり、アライを販売する資格のある薬剤師と対面での相談が必要です。購入の都度、腹囲の確認や特定の健康障害がないことを確認することなど相当の手間が必要です。

購入条件アライ

アライの副作用

アライを使用するうえで最も大きな問題は、食事から摂取した脂肪の一部を便に排泄する薬理作用に関わるものです。意識せずに脂の混じった便が漏れる、肛門からのおくび(おなら)に脂肪便が混じる、など自分ではコントロールが難しい場合もあり、職場や外出先などでの対応が非常に困難なものです。

副作用アライ

アライに懸念されること

食事・運動療法が十分に行われても肥満が解消できない場合には、アライの使用も選択の一つではあります。しかしこの薬は、消化器に関する副作用と、得られる効果を考慮して使用する必要があります。

食事・運動療法が十分に行っているつもりでも肥満が解消できない場合は、肥満をしにくい体質に改善する漢方薬の服用で、これを助けることが出来ます。

アライの代替手段(医療用漢方)

肥満は、よく知られていることではありますがエネルギーの摂取が消費を上回る状態が続くことで起こります。このことは漢方でいうところの「実証」という状態であると言えます。さまざまある漢方のうち、肥満の方に処方される代表的な漢方「防風通聖散」です。

医療用漢方