ノルレボ

世界で使われている緊急避妊薬(成分 レボノルゲストレル)

避妊に失敗した時や、望まない性交渉があった、など緊急時に使用する避妊薬です。

避妊薬の有効成分としてのレボノルゲストレルは1960年代に開発が始まり、1980年代に避妊薬として使用され始めました。1999年"NorLevo" というブランド名でフランスで正式に商品化され、以降、各国で正式に承認されました。世界保健機関の必須医薬品のひとつで、女性の生活の質の向上に欠かせないものとして世界的にも認知されています。

日本では2011年2月23日に緊急避妊薬ノルレボとして承認されました。一般用医薬品としては販売されておらず、2017年7月26日、厚生労働省の「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」で一般用医薬品への転換が検討されましたが、今のところ見送られています。

【この薬の概要】
・販売名:ノルレボ錠
・一般名(有効成分)レボノルゲストレル および エチニルエストラジオール
・製造販売会社:あすか製薬
添付文書
併用注意薬

【この薬の外観】
norlevo

【この薬の目的および効果は?】
望まない性交渉や、避妊が失敗した時など、緊急時に使用する避妊薬です。次の二つの作用で避妊効果が得られます。
1.排卵を抑制する
黄体ホルモンの作用により排卵を抑制することで、排卵日近くの性交渉で避妊をしなかった場合でも、受精卵を作らせない働きをします。精子の平均寿命2~3日間を超える、平均5日間で排卵の抑制が行われます。
2.子宮内膜の増殖を防ぐ
もし精子が体の中に入ったタイミングで、既に排卵してしまっていたり、排卵の抑制が間に合わなかった場合でも、子宮内膜を薄くしたり、体温の上昇を抑えたりして受精卵が着床しにくい環境を作ります。

【この薬の使い方】
性交渉から72時間以内に1.5㎎を1錠服用します。(なるべく早く服用します。また72時間を過ぎてしまった場合でも効果は落ちますが有効です。経過時間による効果の変化)低用量ピルのように定期的に服用して常時避妊の効果を得るものではありません。

【この薬の副作用は? 】

次の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には服用をを中止するなどし、医師に相談して下さい。

精神神経系:頭痛、傾眠 、浮動性・体位性めまい、不安 生殖器 :消退出血、不正子宮出血、月経過多・遅延
消化器 :悪心、 下腹部痛、下痢、腹痛 、嘔吐 血液 :貧血
その他 :倦怠感、 異常感、口渇、熱感、疲労、末梢性浮腫 、乳房圧痛

 

【次にあてはまる人は、この薬を使うことができません】
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある女性
・重篤な肝障害のある患者
・妊婦

【次にあてはまる人は、慎重に使う必要があります。使い始める前に医師に告げてください。】
・心疾患又はその既往歴のある患者
・消化管障害又は消化管の吸収不良症候群のある患者
・腎機能障害患者
・肝機能障害患者
・授乳婦

【この薬の使用中に気をつけなければならないことは?】
・本剤は性交後に妊娠を回避するためのものであり、計画的に避妊する場合は、可能な限り避妊効果の高い経口避妊薬などを用いて避妊を行ってください。
・本剤投与後には、不正性器出血や妊娠初期の出血を月経と区別できない場合もあるため、月経周期を考慮し適切な時期を見て再び医師にご相談下さい。

【その他】
PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがありますので、必ずPTPシートから薬剤を外して服用して下さい。

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