月経前不快気分障害(PMDD)
生理前のイライラがコントロールできない
近年よく知られるようになってきたPMSは月経前症候群の略で、月経前に生じる身体・精神症状のために不調をきたす状態のことです。・主な症状に腹痛、腰痛、頭痛、体のだるさ、乳房の張り、イライラ、不安、情緒不安定などがあります。PMDDとは、これらのうちで特に精神に関わる症状が強く、日常生活に大きな支障をきたすほどの状態を指します。PMSの症状と同様、月経が開始してから数日で症状がなくなることも特徴です。
日本においては約70%強の女性が軽度を含むPMSを経験するといわれますが、このうちPMDDと診断される方は約3~5%と報告されています。また、もともと精神疾患がある人などでは、PMDDと同じく月経前に精神症状が悪化し、月経が終わった後も症状が続くことがあります。この場合はPMSやPMDDではなく、原疾患の月経前増悪(PME)と診断されることがあります。
PMDDの発生原因
PMSとPMDDの原因はまだはっきりと分かっていませんが、月経周期と関連して症状が現れることから、体内の女性ホルモンの変動に関連があると考えられています。この変動に伴って脳内のホルモンや神経伝達物質に異常をきたし、さまざまな症状が現れるという説があります。
生理前に、日常生活に支障を感じるほどのイライラなどの精神的な症状が現れる場合は、PMDDの可能性があります。PMDDは抗うつ薬の他、ピルで改善が期待できるため、イライラに悩んでいる場合はピルの服用を検討して下さい。