不妊の原因(男性)・無精子症
無精子症とは
男性の精子が女性の身体に届かないと妊娠は成立しません。無精子症は、精子そのものがほとんど作られていない「非閉塞性無精子症」、精子は作られているけれども通り道が詰まってうまく出てこない「閉塞型無精子症」に分けられます。
閉塞型無精子症
精巣内で精子は正常に作られているものの、精子を体外に放出するためのルート(精巣上体管や精管など)が何らかの原因で閉じている状態です。
非閉塞性無精子症
多くの造精機能障害は先天性です。無精子症の原因となるクラインフェルター症候群は、染色体異常の代表的な疾患です。男性の正常な性染色体はXYの2本なのですが、クラインフェルター症候群ではXXYとX染色体が1本多くなっています。また、無精子症の男性の一部は、Y染色体の一部分(AZF領域)が欠失している場合があります。
不妊治療における無精子症の治療
閉塞型無精子症の場合、精管などを手術で再建できれば、自然妊娠が期待されます。また、精子の産生自体は問題ないため、精巣内の精子を手術で回収することも可能です。非閉塞性無精子症の場合では、形成されている精子が局所的でわずかになるため、手術による精子の回収はより難しくなります。