不妊の原因(男性)

不妊症における男性側の原因

男性側に挙げられる主要な原因は、造精機能障害に起因する精子の質の問題です。また精子自体に問題がなくても、射精に障害があれば、女性の体内に届かず不妊の原因となります。主な原因は次のようなものです。

精子の質や数の異常

・乏精子症(精子の数が少ない):精液中の精子の数が基準値よりも少ない場合、妊娠が難しくなります。
・精子無力症(精子の運動能力が低い):精子が卵子に到達するためには、十分な運動能力が必要です。運動能力が低いと、受精が難しくなります。
・精子奇形症(精子の形状が異常):精子の頭部や尾部が正常でない場合、卵子と結びつく能力が低下します。

勃起不全や射精障害

充分な勃起が得られないことで、性行為が成立しません。勃起不全は、射精に至る機能に問題がある器質性ED、心理的な問題が原因でおこる心因性ED、またこれらのいずれも原因に含む混合型EDに大別されます。

ホルモンバランスの異常

テストステロンの低い状態: 男性ホルモン(テストステロン)の不足により、精子の生成が妨げられることがあります。
高プロラクチン血症: プロラクチンが通常より高いと、性欲の減退や勃起不全の原因となることがあります。

精管の閉塞

先天的な閉塞や感染症、手術後の癒着などで精管が閉塞している場合、精子が射精の際に外に出てこなくなります。この場合、精子が正常であっても受精ができません。

感染症や炎症

精巣炎、前立腺炎、尿道炎などの感染症や炎症が、精子の生成や質に悪影響を与えます。これにより精子の数が減少したり、運動能力が低下します。

遺伝的要因

クラインフェルター症候群: 性染色体におけるX染色体が過剰である遺伝性の病気です。精巣の発育が遅れ、無精子症などさまざまな症状として現れます。

生活習慣や環境要因

喫煙、飲酒、薬物の使用、肥満、男性器付近が常に高温な状態にあること、長期間にわたるストレスがホルモンバランスを乱し、精子の質を低下させることがあります。

加齢

年齢が進むとともに、特に40才を超えると精子の質や数が低下します。

男性側の不妊症も多くの要因によって引き起こされます。子どもを持ちたいときは女性と共に原因の追究を行うことが重要です。