日本で初めて承認されたプロゲスチン単剤
スリンダ錠28は2025年6月に日本ではじめて認可を受けた新しい経口避妊薬です。ドロスピレノン4mgを主成分とするプロゲスチン単剤です。従来のピルに含まれているエストロゲンを含んでいないため、これまで低用量ピルの服用ができなかった方も使用できる可能性が広がりました。先行して承認されている諸外国では「ミニピル」または「POP」と呼ばれることもあります。
この薬の概要
・製品名:スリンダ錠28
・主成分:ドロスピレノン(Drospirenone)
・販売会社:あすか製薬
・添付文書
外観
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有効成分を含む白色の24錠と、飲み忘れ防止のオレンジ色の無害なダミー薬4錠を1サイクルとして使用します。 |
価格
| 28錠(1サイクル) 2,800円 |
6+1ヶ月「まとめ処方」時 2,400円 |
*初診料、診察料はかかりません。
この薬の効果と従来の低用量ピルとの違いは?
排卵の抑制、子宮内膜を薄くする、子宮頸管粘液の粘度を高めることによる精子侵入の阻止などで避妊効果を発揮します。避妊に用いられますが、低用量ピルと同様に、月経痛やPMSの緩和も期待できます。
避妊の効果
スリンダ28錠は従来の低用量ピルとほぼ同等の避妊効果があることが検証されています。
スリンダ28錠のPI指数(パール指数: 100人の女性がその避妊法を1年間用いた時の妊娠数)は国内第III相臨床試験において0.3917と、高い避妊効果が確認されています。(スリンダ錠を100人の女性が一年間内服したとき0.39人に妊娠が成立した)。また、コンドームを使用した場合のPI指数は約13.0との報告もあり、スリンダ28錠は従来の低用量ピルと同様、信頼できる避妊の方法であるといえます。
従来の低用量ピルとの違い
従来の低用量ピルとは異なりエストロゲンを含まず、このエストロゲンに由来する禁忌や副作用が大幅に減ることで、従来の低用量ピルが使いにくかった女性(高血圧、喫煙者、40才以上の方など)でもより安全に服用できることが最大のメリットです。
| スリンダ28錠(ミニピル) | 従来の低用量ピル | |
| 有効成分 | ドロスピレノン | エチニルエストラジオール+プロゲスチン |
| 避妊効果(PI指数*) | PI指数:約0.39 | PI指数:約0.2~0.8 |
| 血栓リスク | 低い | 相対的に高い |
| 適用 | 相対的に広い(高血圧、喫煙者、40歳以上含む) | 相対的に制限あり |
| 服用方法 | 28日連続服用 | 21日服用+7日休薬(またはダミー薬7日) |
PI指数*:パール指数: 100人の女性がその避妊法を1年間用いた時の妊娠数
この薬の使い方は
初めてこの薬を服用するときは、月経の第1日目から飲みはじめます。服用開始日が月経の第1日目から遅れた場合、飲みはじめの最初の1週間は他の避妊法も併用してください。
1日1錠、毎日なるべく決まった時間に白色錠(有効成分が入っています)から開始します。指定された順番に従って28日間連続服用して下さい。この28日間を1周期とし、29日目から次の周期の錠剤を服用し、以後同様に繰り返します。

服用のスケジュールを管理しやすくするために、服用の開始日の曜日がわかる、付属のカレンダーシールを貼っておくことをすすめます。
他のピルや避妊方法からのりかえたときは
他のピルを使っていた場合
切替前に使用していた他のピルの1サイクル分の錠剤のうち、有効成分を含む錠剤を用法に従って全て服用した翌日からすぐに、スリンダ錠28の服用を始めます。
子宮内避妊器具を使用していた場合
子宮内避妊器具などから切り替える場合は、除去後同日に服用を開始します。
飲み忘れた場合の対応
| 前日分の飲み忘れに気付いたとき |
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| すぐに飲み忘れた薬を1錠服用し、飲み忘れに気付いた日も通常どおりの時間に服用します。 |
| 2日飲み忘れたとき |
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| 2日連続しての飲み忘れに気づいた時点ですぐに飲み忘れた薬を1錠服用し、その日の錠剤も通常どおりの時間に服用します。 ※他の避妊法(コンドームなど)を使用するようにしてください。 |
| 3日連続して飲み忘れたとき |
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| 服用を中止して、次の生理を待ってから再開してください。※再開までは他の避妊法(コンドームなど)を使用してください。 |
この薬の副作用は?
主な副作用として、不正性器出血、頭痛、月経異常(過少月経、 過長過多不規則月経、重度月経出血)、下腹部痛、腹痛、下痢、吐き気、ざ瘡、乳房不快感などが報告されています。このような症状に気づいたら、医師に相談してください。
特に使用開始初期は3~5割の方に少量の不正出血が続くことがありますが、継続して使用することで頻度が低くなってゆきます。
次にあてはまる人は、この薬を使うことができません
・この薬の成分に対し過敏性素因のある女性
・乳癌又は生殖器癌及びその疑いのある患者(腫瘍の悪化又は顕性化を促すおそれがある)。
・診断の確定していない異常性器出血のある患者(性器癌の疑いがある)
・重篤な腎障害又は急性腎障害のある患者
・重篤な肝障害のある患者
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性
次にあてはまる人は、この薬を使うことに検討が必要です
・合併症・既往歴等のある患者
・骨成長が終了していない可能性がある女性(エストラジオールの血清中濃度を低下させ、骨密度の減少をもたらすおそれがある)。
・乳癌の既往歴のある女性(乳癌が再発するおそれがある)。
・うつ病又はうつ状態の患者並びにそれらの既往歴のある患者(症状が悪化するおそれがある)。
・活動性の静脈血栓塞栓症の患者(静脈血栓塞栓症の治療を優先する必要がある)。
スリンダ錠28はエストロゲンを含まないことで血栓症リスクを低減し、喫煙者や高血圧の方、40歳以上の方など、従来の低用量ピルが適さないとされた方にも新たな選択肢となります。安全性と効果の両面で、これまで以上に幅広い方々に使われることが期待されているピルです。











