不妊の原因・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは

妊娠が成立には妊娠に関わる器官(子宮、子宮頸管、卵管、卵巣など)の妊娠に関わる器官が正常であること、視床下部―脳下垂体、甲状腺などのホルモン分泌が正常で排卵が行われることが必要で、これらに障害が起こると妊娠が成立しにくくなります。これらの条件を妨げるもののうちのひとつは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)です。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とはどんな病気

卵巣で通常より多くの男性ホルモンが分泌されることにより、卵胞(卵子を育てる袋)の成熟に時間がかかり、排卵しにくくなる病気です。男性ホルモンは卵胞の発育を抑え、卵巣を包む膜を厚くする作用も持つため、正常な排卵が起こりにくくなります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状

通常より月経周期が長くなる、不規則になるといった月経異常が起こります。また男性ホルモンが多く分泌されることから、にきびの増加・毛深くなる・声が低まるなど全身にさまざまな症状が現れることがあります。また、排卵障害も生じさせ、妊娠しづらくなることがあります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療

妊娠を希望しない場合は、一定の期間で月経を起こす治療が必要です。子宮内膜増殖症や子宮体がんのリスクを減らすために、ホルモン剤を用いて月経を起こさせます。妊娠を希望する場合は、排卵誘発剤で排卵を促す方法がとられます。また卵巣を包む膜が過剰に厚くなっている場合は薬物療法でも排卵が起こりにくいため、腹腔鏡下手術での治療が行われます。