ホットフラッシュとは
ホットフラッシュ(Hot Flash)は、女性の更年期に特に多く見られる症状で、急に顔・首・胸部が熱くなり、発汗を伴う現象を指します。
英語では「hot flush」とも表記されます。
1. 主な特徴
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 発生部位 | 顔、首、胸部、背中上部 |
| 時間 | 数秒〜数分、長い場合は10〜20分ほど |
| 発汗 | 顔や上半身を中心とした大量の発汗(汗冷えを伴うことも) |
| 頻度 | 1日数回〜十数回、個人差が大きい |
| 誘因 | ストレス、温かい飲み物、入浴、緊張、寝起き |
ポイント:
- ホットフラッシュは体温調節の異常によって起こる自律神経症状で、単なる「暑さ」ではありません。
2. 原因・メカニズム
- エストロゲン低下
- 更年期に卵巣機能が低下してエストロゲンが減少
- 体温調節中枢(視床下部)が敏感になる
- 視床下部の体温調節異常
- エストロゲン低下で「体温許容範囲(セットポイント)」が狭まる
- 小さな体温上昇でも熱として認識され、発汗・血管拡張が起こる
- 自律神経の乱れ
- 交感神経が過敏になり、血管が急に拡張して血流増加
- これが「ほてり・赤面・心拍上昇」として感じられる
3. 症状の流れ(典型例)
- 急に顔や首がほてる
- 胸部・背中に広がることもある
- 発汗・冷感・心拍増加が起こる
- 数分で落ち着く
- 夜間に起こる場合は寝汗(ナイトスウェット)となり、睡眠障害を引き起こすこともある
4. 治療・対策
① ホルモン補充療法(HRT)
- エストロゲン単独またはプロゲステロン併用
- ホットフラッシュの症状改善に最も効果的
② 非ホルモン療法
③ 生活上の工夫
- 薄着・重ね着で体温調節
- 扇風機・冷却シートで体表温度を下げる
- 温かい飲み物より冷たい飲み物を選ぶ
- カフェイン・アルコールは症状を悪化させることがある
5. まとめ
- ホットフラッシュは更年期における典型的な自律神経症状で、体温調節異常が原因。
- 頻度や強さには個人差が大きく、生活習慣やストレスで悪化することもある。
- HRTや生活改善で症状は軽減可能。







