女性の更年期と女性アンドロポーズの違い

女性の更年期(menopause)女性アンドロポーズ(female andropause)は、似たような年代で起こるホルモン変化ですが、原因ホルモン・症状の中心・病態メカニズムが異なります。


1. 定義の違い

項目 更年期(Menopause) 女性アンドロポーズ(Female Andropause)
定義 卵巣機能の停止による月経終了、エストロゲン低下が中心 テストステロンの低下による活力・性欲・意欲低下を主とする症状
中心ホルモン エストロゲン(卵巣由来) テストステロン(卵巣+副腎由来)
対象年齢 平均50歳前後(閉経) 40代後半〜50代前後(更年期と重なることも)
診断基準 12か月以上の無月経 明確な検査基準はなく、症状+血中テストステロン値で評価
症状の主軸 月経異常・ホットフラッシュ・夜間発汗・PMS様症状 性欲低下・無気力・疲労・集中力低下・筋力低下

2. ホルモン変動の違い

ホルモン 更年期 女性アンドロポーズ
エストロゲン 卵巣での分泌が急激に低下 多少低下(主に閉経後)
プロゲステロン 減少 関与は少ない
テストステロン 削減されるが影響は二次的 低下が主体。副腎分泌も減少で活力低下を招く

ポイント:

  • 更年期はエストロゲン不足が主役で、女性の生殖機能・骨・血管・皮膚に影響が大きい。
  • 女性アンドロポーズはテストステロン不足が主役で、性欲・気力・筋力・集中力に影響が出やすい。

3. 症状の違い

分類 更年期 女性アンドロポーズ
性機能 月経不順・閉経・膣乾燥 性欲減退・感度低下
精神面 イライラ・不安・抑うつ 無気力・やる気低下・集中力低下
身体面 ホットフラッシュ・夜間発汗・骨量低下 倦怠感・筋力低下・体脂肪増加
美容面 皮膚乾燥・しわ・髪の細毛化 代謝低下・筋肉減少・抜け毛増加

4. 相互関係

  • 更年期と女性アンドロポーズは同じ年代で重なることが多いため、症状が複雑化することがあります。
  • 例えば、40代後半〜50代で女性アンドロポーズに伴う「性欲低下+無気力」が出ていても、同時に更年期の「ホットフラッシュ+骨量減少」が起きている場合があります。
  • ホルモン補充療法(HRT)は通常エストロゲン・プロゲステロン中心ですが、必要に応じてDHEAやテストステロン補充を検討することもあります。

まとめ

  • 更年期(Menopause)=エストロゲン低下中心、閉経・生理終了に関係
  • 女性アンドロポーズ=テストステロン低下中心、活力・性欲・筋力の低下に関係
  • 両者は同年代で重なることがあり、症状を分けて評価することが大切です。