PMSの精神的な不調

PMS(月経前症候群)では、身体的症状に加えて「精神的な不調」も多くの女性が経験します。これらは主に、ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)変動に伴う神経伝達物質(セロトニン・GABAなど)のバランス変化によって起こります。以下に、症状ごとに原因と緩和法を解説します。


精神的な不調(情緒不安定・気分の波)

原因:ホルモンの変動でセロトニン(幸福感を司る神経伝達物質)が低下。睡眠やストレス耐性にも影響。

緩和方法:

  • 規則的な睡眠・食事リズムを保つ(血糖と神経バランス安定)
  • セロトニン生成を助ける栄養素を摂取
    • トリプトファン:大豆製品、バナナ、鶏むね肉
    • ビタミンB6:まぐろ、鮭、ピスタチオ
    • マグネシウム:ナッツ、海藻、玄米
  • 適度な運動(ウォーキングやヨガでエンドルフィン分泌促進)
  • ハーブティー(セントジョーンズワート、カモミール)
  • 光を浴びる(朝の太陽光でセロトニン活性化)

イライラ・怒りっぽさ

原因:プロゲステロン上昇期にGABA(抑制系神経伝達物質)が乱れ、ストレス反応が高まりやすくなる。

緩和方法:

  • カフェイン・アルコールを控える(神経を刺激)
  • 呼吸法・マインドフルネス瞑想(副交感神経を優位に)
  • カルシウムとマグネシウムを補う(神経の興奮を鎮める)
    • 食材例:ヨーグルト、小魚、ほうれん草、アーモンド
  • アロマセラピー(ラベンダー、ベルガモット、ゼラニウム)
  • ストレス発散法を持つ(短時間の散歩や音楽・日記など)

落ち込み・抑うつ感

原因:エストロゲン低下によるセロトニン・ドーパミン不足。心理的には自己否定感が強くなりやすい。

緩和方法:

  • トリプトファン+ビタミンB群を意識的に摂取(セロトニン合成サポート)
  • 軽い有酸素運動(ストレスホルモン・コルチゾールを減らす)
  • 夜のスマホ使用を控える(ブルーライトによる睡眠リズム乱れ)
  • サプリメント活用例
    • セントジョーンズワート(軽度の抑うつに有効:医薬品との併用注意)
    • オメガ3脂肪酸(脳の神経膜を安定化)
  • 心理的サポート
    • 周囲に感情を共有する
    • カウンセリングやPMS外来の利用も検討

集中力低下・思考力の鈍化(いわゆる「ブレインフォグ」)

原因:エストロゲン低下による脳血流・神経伝達の低下、睡眠不足や血糖変動も影響。

緩和方法:

  • 朝食を抜かない(低血糖が集中力を奪う)
    • タンパク質+炭水化物(卵+ごはん、納豆+トーストなど)
  • 水分をこまめに摂る(脱水で脳機能が低下)
  • B群・鉄・葉酸の摂取(神経・血流・酸素供給を改善)
    • 食材例:赤身肉、レバー、緑黄色野菜
  • タスクを細分化し、無理をしない
  • 昼間の短時間仮眠(15〜20分)でリセット効果