PMSの身体的症状

PMS(月経前症候群)の身体的症状は、ホルモンバランス(特にエストロゲンとプロゲステロン)の変動や、自律神経・水分バランスの乱れが関係しています。それぞれの症状に合わせた緩和方法を以下にまとめます。


頭痛(ホルモン性頭痛・片頭痛)

原因:エストロゲン低下による血管収縮・拡張の変化や、セロトニンバランスの乱れ。

緩和方法:

  • カフェインを控える(過剰摂取で血管収縮→反動性拡張による頭痛悪化)
  • 水分を十分に摂取(脱水は片頭痛を誘発)
  • ビタミンB2・マグネシウムを補給(神経伝達・血管調整をサポート)
    • 食材例:ナッツ、ほうれん草、アーモンド、バナナ
  • 冷やす:こめかみ・首筋を冷却
  • 薬物療法:市販薬ではイブプロフェンが有効

腹痛(下腹部痛・けいれん)

原因:プロスタグランジン(子宮収縮物質)の過剰分泌。

緩和方法:

  • 下腹部や腰を温める(血行促進で子宮筋の緊張を緩和)
  • 軽いストレッチやウォーキング(骨盤内の血流改善)
  • カフェイン・アルコールを避ける(子宮収縮を強める)
  • 生姜・シナモン・カモミールティー(鎮痛・抗炎症効果)
  • 鎮痛薬:イブプロフェン、ナプロキセンなどプロスタグランジン抑制作用のあるもの

乳房の張り・痛み(乳房緊満感)

原因:エストロゲン・プロゲステロンの増加による乳腺刺激と水分貯留。

緩和方法:

  • 塩分を控える(体内の水分貯留を防ぐ)
  • カフェインを減らす(乳腺刺激作用を軽減)
  • ビタミンE・ビタミンB6の摂取(ホルモン代謝と乳腺の張り改善)
    • 食材例:アボカド、ナッツ、サーモン、バナナ
  • ぴったりしたブラを避ける(締め付けが痛みを悪化)
  • 温湿布・軽いマッサージ(リンパ流を促進)

むくみ(手足・顔・腹部)

原因:プロゲステロンによるナトリウム貯留、水分バランス変化。

緩和方法:

  • 塩分・加工食品の制限
  • カリウムを多く摂取(体内の余分なナトリウム排出)
    • 食材例:バナナ、アボカド、海藻、きゅうり
  • 軽い運動・ストレッチ(リンパ・静脈還流を促進)
  • 就寝前に脚を心臓より高くして休む
  • カリウムを含むハーブティー:ハイビスカス、ルイボスなど

便秘・下痢

原因:プロゲステロンが腸の蠕動運動を抑制(便秘)/プロスタグランジンが腸を刺激(下痢)

緩和方法:

  • 便秘タイプ
    • 食物繊維(オートミール、さつまいも、海藻類)を意識
    • 水分を1.5〜2L/日目安に
    • 朝の軽い運動・腹部マッサージ
    • プロバイオティクス(ヨーグルト、納豆)
  • 下痢タイプ
    • 脂っこい食事・乳製品を控える
    • 温かいスープや白粥などで腸を休ませる
    • 整腸剤(乳酸菌製剤など)の利用も有効