インヒビン

インヒビン(Inhibin)は、主に卵巣(女性)や精巣(男性)で産生される糖タンパクホルモンで、下垂体前葉から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌を抑制する役割を持っています。名前の通り「抑制する」ホルモンです。


種類

  1. インヒビンA(Inhibin A)
    • 分泌場所:黄体、成熟卵胞
    • 主な役割:FSH抑制、黄体期に分泌が増加
  2. インヒビンB(Inhibin B)
    • 分泌場所:卵胞
    • 主な役割:卵胞期に分泌がピーク、FSH分泌を調整して卵胞の過剰発育を防ぐ

主な働き

  • FSHのネガティブフィードバック
    卵胞が成熟するとインヒビンBが増え、FSH分泌を抑える → 複数の卵胞が同時に発育するのを防ぐ
  • 生殖機能の調整
    排卵のタイミングや卵胞の成熟に関与
  • マーカーとしての利用(医療):
    • 卵巣機能の評価(AMHと併用して卵巣予備能の指標に)
    • がんマーカー(卵巣腫瘍や精巣腫瘍の一部で上昇)

  • インヒビンは女性ホルモン(エストロゲンプロゲステロン)とは異なり、下垂体のFSHを調整する補助的ホルモンです。
  • 卵巣機能の指標としても注目されるホルモンです。