清肺湯

■ 清肺湯(せいはいとう)とは

清肺湯は、主に肺や呼吸器の熱や炎症を鎮め、痰や咳を改善する漢方薬です。古典『太平恵民和剤局方』に由来し、風邪の後や気管支炎、慢性的な咳や痰の多い状態などに用いられます。名前の「清肺」は「肺の熱を清める」という意味で、肺にこもった熱・炎症・痰の滞りを取り除くことを目的としています。


■ 構成生薬(7種類)

生薬名 主な作用
黄芩(おうごん) 肺や体内の熱を冷まし、炎症を鎮める
杏仁(きょうにん) 咳を鎮め、呼吸を楽にする作用
桔梗(ききょう) 喉の違和感を改善し、痰の排出を助ける
甘草(かんぞう) 咳を鎮め、薬全体の調和
半夏(はんげ) 痰を溶かし、咳や吐き気を改善
紫蘇葉(しそよう) 発汗促進、気の巡り改善、咳や痰の症状を和らげる
連翹(れんぎょう) 抗炎症作用、咽頭炎・肺の炎症を抑える

ポイント:肺の熱や炎症を鎮め、痰や咳を取り除くことに特化した処方です。


■ 効能・効果(日本薬局方などの記載)

  • 咳・痰・喉の痛み
  • 風邪の後に残る咳や痰
  • 慢性気管支炎の補助
  • 肺熱・炎症による咳嗽の改善

■ 適する体質と症状

状況 説明
咳が長引く 風邪後や慢性の咳が続く
痰が多い・粘っこい 肺に熱や湿がこもっている状態
のどの痛み・炎症 咽頭炎や気管支炎による痛み
体質 比較的体力があるか、中等度で、熱感や炎症が目立つタイプ

肺の熱や炎症が強い「熱証タイプ」に向いており、体力が極端に低下している人には注意が必要です。


■ 現代的な臨床応用

  • 風邪の後の長引く咳や痰の改善
  • 慢性気管支炎・咽頭炎の補助療法
  • 咳嗽や痰が多い肺炎・上気道炎症の症状緩和
  • 喘息や咳喘息の補助的対応(医師管理下)

■ 注意点

  • 強い虚弱体質の人や寒症タイプ(冷えが強い人)には適さない
  • 体力がある人向けで、熱や炎症の強い症状に用いられる
  • 長期服用は医師の指導下で行う

■ 類似処方との比較

処方名 主な特徴 体質傾向
清肺湯 肺の熱・炎症を鎮め、痰や咳を改善 咳・痰・喉の痛み・熱証タイプ
麻杏甘石湯 咳や喘息の発作・熱を伴う咳に有効 高熱・喘息・急性期向き
小青竜湯 冷えや水分停滞による咳・鼻水に有効 寒証タイプ、アレルギー性咳嗽向き

■ まとめ

清肺湯は「肺の熱を清め、咳や痰を鎮める漢方薬」。
風邪後の長引く咳や痰、慢性気管支炎、咽頭炎に用いられる。
肺の炎症・熱証タイプの人に向いた処方で、体力がある程度ある人に適しています。