レボノルゲストレルとは

レボノルゲストレル(Levonorgestrel, LNG)は、合成プロゲスチン(黄体ホルモン様作用をもつ合成ステロイド)です。排卵抑制や子宮内膜・頸管粘液への作用を通じて妊娠成立を防ぎます。


① 基本情報

  • 分類:第二世代プロゲスチン
  • 構造:19-ノルテストステロン誘導体
  • 投与経路:経口、子宮内システム(IUS)、皮下インプラントなど
  • 主な用途:
    • 緊急避妊
    • 低用量ピル成分
    • 子宮内避妊システム

日本では緊急避妊薬としてノルレボが代表的です。


② 作用機序(なにをして妊娠を防ぐか)

排卵抑制(最重要)

  • 視床下部GnRH分泌抑制
  • 下垂体LHサージ抑制
    → 排卵を起こさせない

※LHサージ後では効果が弱くなる


頸管粘液変化

  • 精子が通過しにくくなる

子宮内膜変化

  • 受精卵の着床環境を変化

ただし主作用は「排卵抑制」であり、既に成立した妊娠を中断する作用はありません。


③ 緊急避妊での使い方

  • 性交後72時間以内(早いほど有効)
  • 単回高用量投与(1.5mg)

排卵直前〜直後では効果が低下します。


④ 低用量ピルとの違い

項目 緊急避妊 低用量ピル
目的 事後対応 計画的避妊
用量 高用量単回 低用量連日
作用 LH抑制中心 排卵継続抑制

⑤ 体内動態(薬物動態)

  • 主に肝臓でCYP3A4代謝
  • SHBGに強く結合
  • 半減期:約24時間前後
  • 脂溶性が高い(肥満で分布増大の可能性)

⑥ 副作用

  • 悪心
  • 不正出血
  • 月経周期変動
  • 乳房緊満感

重篤な副作用はまれ。


⑦ 重要なポイント

✔ 既に妊娠している場合は無効
✔ 服用が早いほど成功率が高い
✔ 排卵直前では作用限界がある
✔ 肥満では効果低下の可能性あり