ファボワールの禁忌:授乳婦

ファボワール(デソゲストレル/エチニルエストラジオール)の添付文書にある禁忌の「授乳婦」とは、現在母乳で乳児を養育している女性を指します。
ここでのポイントは「出産後かどうか」ではなく、実際に授乳を行っているかです。


結論(要点)

母乳栄養(完全・混合を含む)を行っている女性は禁忌
授乳を中止していれば該当しない


なぜ「授乳婦」が禁忌なのか

① 母乳分泌が抑制される

  • ファボワールに含まれるエチニルエストラジオール(エストロゲン)は
    • プロラクチン作用を抑制
    • 母乳量を減少させる
  • 特に産後早期(数週〜数か月)は影響が大きい

➡ 母乳育児の継続が困難になる


② 成分が母乳中に移行する

  • エチニルエストラジオール
  • デソゲストレル(活性代謝物:エトノゲストレル)

これらは

  • 少量だが確実に母乳へ移行
  • 乳児への長期影響が完全には否定できない

不要なホルモン曝露を避けるため禁忌


③ 産後は血栓症リスクが高い

  • 産褥期は生理的に血栓傾向
  • そこにエストロゲンを追加すると静脈血栓塞栓症(VTE)リスクが上昇

※これは「産後4週以内禁忌」とも重なる理由


「授乳婦」に含まれる具体例

該当する:

  • 完全母乳
  • 混合栄養(母乳+ミルク)
  • 夜間だけ授乳している
  • 搾乳して与えている

該当しない:

  • 完全に授乳を終了している
  • 最初から人工乳のみ

では授乳中の避妊はどうする?

推奨される代替法(産婦人科標準)

  • 黄体ホルモン単剤
    • デソゲストレル単剤(ミニピル)
  • IUD(銅付加)
  • コンドーム
  • ラクトアメノレア法(条件厳格)

※エストロゲンを含まない方法が原則


添付文書の「授乳婦 禁忌」の意味

「絶対に危険な薬」ではなく母乳・乳児・母体すべてにとってメリットがなく、デメリットがあるため使わないという予防的禁忌です。