ファボワールの禁忌:妊婦又は妊娠している可能性のある女性

ファボワール(デソゲストレル/エチニルエストラジオール)の添付文書にある「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」とは、医学的・薬事的に次の範囲を指します。


結論

すでに妊娠している、または妊娠を否定できないすべての女性が該当します。これは「奇形が必ず起きるから」ではなく、使用する医学的メリットが存在せず、不要なリスクのみがあるため禁忌とされています。


具体的に該当するケース

① 妊婦

  • 妊娠検査陽性
  • 医師により妊娠と診断されている
  • 超音波等で妊娠が確認されている

明確に禁忌


② 妊娠している可能性のある女性

以下のような場合が含まれます。

  • 月経遅延がある
  • 不正出血があり妊娠の可能性を否定できない
  • 性交後、妊娠検査を行っていない
  • 飲み忘れ等があり排卵・受精の可能性がある
  • 授乳中で無月経だが、妊娠の可能性が残る場合

妊娠が除外されるまで投与不可


なぜ禁忌なのか(重要)

① 避妊薬であり「妊娠継続に意味がない」

  • OCは妊娠を防ぐ薬
  • 妊娠成立後に服用しても 治療的意義がゼロ

② 胎児リスクが完全には否定できない

  • 大規模データでは明確な催奇形性は示されていない
  • しかし
    • ホルモン環境の不必要な変化
    • 男児の外性器への影響が理論上懸念
  • 「安全と断言できない薬」は妊婦に使わないのが原則

③ 母体側のリスク

妊娠中はもともと

  • 血栓症リスク↑
  • 肝機能・胆汁うっ滞リスク↑

そこにエストロゲンを追加すると血栓症・肝障害リスクがさらに上昇


実臨床での扱い(重要ポイント)

  • 服用中に妊娠が判明した場合
    • ただちに中止
    • 原則として人工妊娠中絶の適応にはならない
    • 胎児精査が必要になることは通常ない
  • 飲み始める前
    • 妊娠を確実に否定
    • 月経開始日からの開始が推奨される理由の一つ

添付文書上の意図

この禁忌は「妊娠すると危険な薬」ではなく「妊娠中に使う理由がなく、余計なリスクを避けるため使わない薬」という意味合いです。