ノルレボにおける体重・BMIの影響

レボノルゲストレル(ノルレボ)における体重・BMIの影響を、エビデンスベースで整理します。


① なぜ体重・BMIが問題になるのか?

レボノルゲストレルは:

  • 脂溶性ホルモン
  • 体内分布が体脂肪量の影響を受ける
  • 固定用量(1.5mg)

体重が増えると血中濃度が相対的に低下する可能性があります。


② 実際に報告されている影響

複数の解析で次の傾向が示唆されています:

BMI 妊娠率の傾向
BMI < 25 良好
BMI 25–30 やや低下
BMI ≥ 30 有効性がさらに低下の可能性

特に:

  • 体重 75kg以上
  • BMI 30以上

で効果低下の報告があります。

※ただし研究間でばらつきあり、完全な一致はありません。


③ どの程度低下するのか?

一部メタ解析では:

  • BMI ≥30で妊娠率が約2〜4倍に上昇という報告
  • ただし症例数が少なく、確定的とは言えない

欧州では一時期:

75kg以上で効果低下の可能性
80kg以上ではほぼ無効の可能性

と添付文書に記載されたことがあります。

しかしその後:

  • データは限定的
  • 完全無効とは言えない

という評価に落ち着いています。


④ なぜ効果が下がる可能性があるのか?

考えられている機序:

  1. 分布容積増加
  2. 血中ピーク濃度低下
  3. LH抑制閾値に達しない可能性

レボノルゲストレルは:

一定以上の血中濃度でLH抑制が可能
濃度不足だと排卵抑制が不十分


⑤ 他の緊急避妊薬との比較

薬剤 BMI影響
レボノルゲストレル 影響を受けやすい可能性
ウリプリスタル(エラ) 影響は比較的少ない
銅付加IUD 体重影響なし

そのため:

BMI 30以上では
銅付加IUDが最も確実


⑥ 実臨床での考え方

重要なのは:

  • BMIが高くても完全無効ではない
  • 何も使用しないよりは明らかに妊娠率は下がる
  • 可能なら代替選択肢を提示する

⑦ まとめ

体重・BMIが高いと:

✔ 血中濃度が相対的に低下する可能性
✔ 排卵抑制効果が弱まる可能性
✔ 妊娠阻止率が低下する可能性

特に:

BMI ≥30
体重 ≥75kg

では注意が必要。