女性の更年期を詳しく解説

女性の更年期(Menopause)について、ホルモン変化・症状・診断・治療・生活上のポイントを詳しく解説します。


1. 定義

更年期(Menopause)は、卵巣の機能が低下し、月経が永久に停止する時期の前後5年程度を指します。

  • 正式には「最後の月経から12か月経過した状態」を閉経と定義します。
  • 日本人女性の平均閉経年齢は 50歳前後
  • 更年期は閉経前後約10年の期間を含み、ホルモン変化による様々な症状が現れます。

2. ホルモン変化

主な変化

ホルモン 変化の特徴 影響
エストロゲン(E2) 卵巣での分泌が急激に減少 ホットフラッシュ・骨量減少・皮膚の乾燥・血管脆弱化
プロゲステロン 排卵減少により低下 月経不順・不眠・気分変動
テストステロン 徐々に低下 性欲減退・活力低下(女性アンドロポーズとの重複)
FSH(卵胞刺激ホルモン) 上昇 下垂体が卵巣を刺激するも反応が低下
LH(黄体形成ホルモン) 上昇 月経周期の異常に関与

ポイント:

  • エストロゲン低下が症状の中心で、女性の身体・心・美容に多方面で影響します。
  • FSH上昇は閉経の指標として血液検査で確認されます。

3. 生理周期の変化

  1. 過渡期(月経前更年期)
    • 月経周期が不規則になる
    • 無排卵月経の出現
    • 月経量の増減
  2. 閉経期
    • 12か月以上月経がない
    • 卵巣機能がほぼ停止
    • エストロゲンの急激な減少

4. 主な症状

精神面

  • 気分変動(イライラ・抑うつ・不安)
  • 集中力低下、疲労感

身体面

  • ホットフラッシュ:急なほてり・発汗(顔・胸・首)
  • 冷え・めまい・動悸・頭痛
  • 不眠・睡眠の質低下
  • 骨密度低下 → 骨粗鬆症
  • 代謝低下 → 体重増加、脂肪蓄積

性機能面

  • 膣乾燥、性交痛
  • 性欲の低下

美容面

  • 皮膚の乾燥・しわ増加
  • 髪のボリューム低下

5. 診断・評価

  1. 血液検査
    • FSH:40〜50 mIU/mL以上で閉経の可能性
    • エストラジオール(E2):低値
    • LH:上昇
  2. 症状の評価
    • ホットフラッシュ・睡眠障害・気分変動の有無
    • 骨密度測定(DEXA)による骨粗鬆症リスク評価

6. 治療とケア

① ホルモン補充療法(HRT)

  • エストロゲン単独またはプロゲステロン併用
  • ホットフラッシュ・膣乾燥・骨粗鬆症予防に有効
  • リスク管理:乳がん・血栓症・心血管リスクに注意

② 非ホルモン療法

  • 抗うつ薬(SSRI/SNRI):気分・ホットフラッシュ改善
  • サプリメント:カルシウム・ビタミンD・大豆イソフラボン
  • 運動療法:筋力維持・代謝改善・骨量維持

③ 生活習慣改善

  • 規則正しい睡眠
  • 有酸素運動+筋トレ
  • バランスの良い食事(タンパク質・カルシウム・亜鉛)
  • ストレス管理(ヨガ・瞑想・趣味)

7. まとめ

  • 更年期はエストロゲン低下が中心で、身体・精神・美容に多彩な影響が出る時期。
  • 症状の出方や強さは個人差が大きく、生活習慣や心理状態でも変化します。
  • 適切な医療介入(HRT)と生活習慣改善で多くの症状は軽減可能です。

ワンポイント

更年期の症状の一部は、テストステロン低下による「女性アンドロポーズ」と重なる場合があるため、症状に応じて両方のホルモンバランスを考えたアプローチが重要です。