トリキュラーの禁忌:高血圧のある患者
トリキュラー(レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール)の禁忌のひとつ、高血圧のある患者(軽度の高血圧を除く)について詳しく解説します。
1. 禁忌の意味
この禁忌は、中等度〜重度の高血圧がある女性にはトリキュラーを使用してはいけないという意味です。
- トリキュラーにはエストロゲンが含まれる
- エストロゲンは血管や腎臓の働きに影響して、血圧を上昇させる可能性がある
- すでに高血圧のある患者に投与すると、血圧がさらに悪化して心血管リスクが増大するため禁忌
軽度の高血圧(例:降圧治療でコントロールされている場合や血圧が140/90未満)では、慎重投与として使用可能な場合があります。
2. 高血圧患者に禁忌とされる理由
(1) 血圧上昇リスク
- エストロゲンはレニン-アンジオテンシン系(RAA系)や腎ナトリウム保持に影響し、血圧が上がることがある
- 高血圧患者では、血圧コントロールが不十分だと心血管イベントリスクが高まる
(2) 動脈硬化・血栓症リスク
- 高血圧により血管内皮が障害されている場合、エストロゲンによる凝固因子増加で血栓症リスクがさらに上昇
(3) 心血管イベントの増加
- 高血圧+エストロゲン投与で:
- 脳梗塞、心筋梗塞、心不全のリスクが増加
- 特に中等度〜重度高血圧患者では致死的イベントの可能性あり
3. 臨床上のリスク
| リスク | 具体例 |
|---|---|
| 血圧悪化 | 血圧上昇による頭痛、めまい、眼底変化 |
| 動脈硬化進行 | 動脈硬化による心血管疾患リスク増 |
| 血栓症 | DVT、肺塞栓、脳梗塞、心筋梗塞 |
| 致死性合併症 | 心筋梗塞、脳卒中 |
4. 医師の対応
- 中等度以上の高血圧患者は絶対禁忌
- 軽度高血圧の場合は、血圧を十分コントロールした上で慎重投与する場合あり
- 避妊が必要な場合は、非エストロゲン系避妊法を優先
- プロゲスチン単剤ピル(ミニピル)
- 子宮内避妊具(IUD/IUS)
- コンドーム
- 投与中は定期的に血圧測定が必須
5. まとめ
| 禁忌対象 | 理由 | 主なリスク |
|---|---|---|
| 高血圧(軽度を除く)患者 | エストロゲンで血圧上昇、血栓リスク増、心血管イベント増 | 血圧悪化、脳梗塞、心筋梗塞、DVT、肺塞栓 |
ポイントは、中等度〜重度の高血圧患者では、エストロゲンによる血圧上昇や血栓リスクの増加で重大な心血管イベントを起こす危険があるため、トリキュラーは禁忌ということです。









