マーベロンの禁忌: オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル配合剤を投与中の患者

「オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル配合剤(例:VIEKIRA PAK/TECHNIVIE)」を投与中の患者は、エチニルエストラジオール含有薬(マーベロンなどの一般的な経口避妊薬)を同時に使ってはいけません。その理由と臨床上の扱いをわかりやすくまとめます。

何が問題か

臨床試験と製品添付文書では、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルを含むHCV治療薬を使用した女性で、エチニルエストラジオール(EE)含有製剤を併用した場合に、ALTなど肝酵素の著明な上昇(重度の肝障害)が増えたと報告されています。したがって EE含有薬は禁忌です。

背景

  • 臨床データで、EE含有製剤(合成エストロゲン)使用者において、HCVレジメン開始後早期(最初の4週程度)にALTが急上昇する頻度が高かったことが確認されています。これが重篤化しうるため、添付文書は併用を禁じています。
  • 機序は単純な一因ではなく、パリタプレビル/リトナビルが肝代謝や肝毒性に影響し、EEがその状況で肝酵素上昇を助長すると考えられています(臨床的に有意な相互作用と肝障害の増加が観察された)。

何をすべきか

  1. EE含有避妊薬(マーベロン等)を使用中の人は、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル含有療法を始める前に必ず中止すること。 FDAラベルや各国の製品情報はこれを明確に指示しています。
  2. 代替避妊法を使うこと。(例:プロゲスチン単剤ピル(ミニピル)、銅IUD、バリア法など)—治療中および治療後にEEを再開するまでの期間に妊娠を防ぐ必要があります。
  3. EE含有薬は、オムビタスビル等の治療終了後 おおよそ2週間ほど経過してから再開可能とラベルに明記されています(再開の時期は処方医と確認してください)。
  4. 治療開始後は肝機能検査(特に初回4週間内)を必ず行うこと。ALT上昇が出たら治療中止などの判断が必要です。

どの製剤が該当するか

代表的な組合せ製剤として VIEKIRA PAK(オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル ± ダサブビル)TECHNIVIE(オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル) 等が該当します。添付文書で EE含有製剤との併用が禁忌になっています。

まとめ

  • 「肝臓に負担がかかり、重篤化する可能性があるため、HCVのこの治療を始める間はマーベロンのようなエチニルエストラジオール入りのピルは中止してください。別の避妊法を使ってください。治療が終わり2週間ほど経ってから担当医と相談して再開できます。」