マーベロンの禁忌: 骨成長が終了していない可能性がある女性
マーベロンの禁忌にある『骨成長が終了していない可能性がある女性』について、医学的根拠を含めて詳しく解説します。
■ 結論
ここでいう
骨成長が終了していない可能性がある女性 とは
骨端線(成長線)がまだ閉鎖しておらず、身長が伸び続ける可能性がある思春期〜成長期の若年女性
を指します。
一般的には
- 小児・思春期の女性
- 特に身長が伸びている途中の未成年
が該当し、平均的には18歳未満が中心です。
ただし、年齢だけで判断せず、骨成熟が終わっていない可能性がある全ての女性が対象となります。
■ なぜ禁忌なのか?(深い解説)
理由は添付文書に明記されている通り、
「骨端(骨の成長部分)の早期閉鎖を来すおそれがある」
つまり、マーベロン(複合避妊薬=エストロゲン+プロゲスチン)に含まれるエストロゲンが、成長期女性の骨の成熟に影響し、身長の最終伸長に悪影響を与える可能性があるためです。
◆ 骨端線とは?
骨の長さは、骨の端にある骨端線(growth plate)が活発に働くことで伸びます。
- 思春期後、エストロゲン量が上昇することで骨端線の成熟が促進され、最終的に骨端線が閉鎖し骨成長が止まる仕組みです。
これが通常の成長です。
◆ 外からエストロゲンを投与すると?
マーベロンは外因性エストロゲンを投与する薬であり、
本来の成長段階よりも前に
骨端線の閉鎖を促進する可能性
があります。
その結果:
- 本来得られるはずだった最終身長が低くなる可能性
- 骨成長の不均衡
- 骨密度への影響
などが理論的にあり得るため、添付文書上は禁忌として強く禁止されています。
■ 対象年齢の目安(臨床的判断)
成長終了の平均は個人差がありますが、骨端線の閉鎖目安は以下です:
| 項目 | 女性の一般的指標 |
|---|---|
| 成長スパート開始 | 10–12歳 |
| 最大成長速度 | 12歳前後 |
| 骨端線閉鎖の開始 | 15–16歳 |
| 完全な骨成熟 | 17–18歳 |
そのため、
→ 日本の臨床では “18歳未満の使用は禁忌”
と解釈されることが多いです。
ただし、
- 年齢だけで判断できない例(ホルモン疾患、成長遅延など)もあります。
添付文書では「骨成長が終了していない可能性がある女性」と書くことで、年齢だけで判断しないことを強調しています。
■ 注意点(臨床で誤解されやすい点)
① 「生理が始まっていれば大丈夫」ではない
初経がきても骨成長はまだ続きます。
初経後2~3年は身長が伸び続けるため、内服開始は危険です。
② 「体格が大きい=成長終了」ではない
身長が高くても骨端線が開いている例はあります。
外見で判断せず、医学的に慎重に判断する必要があります。
③ 海外でも同様の扱い
WHO、CDC、国際産婦人科学会でも
- 18歳未満の複合経口避妊薬の使用は慎重
- 特に“成長期”の使用は避ける
とされます。
■ エビデンス(理論背景とデータ)
● 成長期のエストロゲンは骨端線閉鎖を促進
研究では、思春期の女性における外因性エストロゲン投与は
- 成長速度の減速(growth deceleration)
- 最終身長の低下
が報告されています。
特に、エストロゲンは骨端線の増殖軟骨細胞の終末分化を促進し、結果として軟骨層が閉鎖していきます。
■ なぜ添付文書に明確に“禁忌”とされるのか?
これは避妊薬としての必要性よりも、成長障害リスクのほうが重大と判断されるためです。
- 成長が終わっていない女性の避妊は、他の方法(プロゲスチン単剤、IUDなど)で対応可能であり、
- 重大な不可逆的副作用(最終身長低下)が起こり得る薬を使う理由がない
という医学的価値判断です。
■ “骨成長が終了していない可能性がある”を医学的に整理
対象となる女性の特徴例
こんな人は禁忌に該当する可能性が高い:
- まだ身長が伸びている
- 毎年の成長曲線が上昇中
- 初経から2年以内
- レントゲンで骨端線が残っている
- 発育相談で「成長期」と診断されている
- 明らかに未成年(中学・高校生)
- 二次性徴が継続中
逆に
- 成人している、成長が止まっている
と医学的に確認できれば禁忌ではありません。
■ まとめ
● 対象
「骨成長が終了していない可能性がある女性」=
思春期〜成長期で骨端線が閉鎖していない若年女性
一般的には未成年(18歳未満)が該当。
● 禁忌理由
- マーベロンに含まれるエストロゲンにより
骨端線の早期閉鎖 → 最終身長が低くなる可能性
があるため。
● 判断基準
- 年齢だけでなく、成長状態が判断の対象。
● 代替手段
- プロゲスチン単剤(ミニピル)
- IUD
- コンドーム
等を選択。






