トリキュラーの禁忌:骨成長が終了していない可能性がある女性

トリキュラー(レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール)の禁忌のひとつ、骨成長が終了していない可能性がある女性について詳しく解説します。


 1. 禁忌の意味

この禁忌は、成長期の女性(特に思春期で骨端線が閉じていない可能性がある場合)には、トリキュラーを使用してはいけないという意味です。

  • トリキュラーはエストロゲン+プロゲスチン配合ピル
  • エストロゲンは骨の成長(縦方向の骨端成長)を早期に終了させる作用がある
  • 骨成長がまだ終了していない女性に投与すると、最終身長に影響する可能性がある

2. 骨成長とエストロゲンの関係

  1. 思春期の骨成長
    • 骨の両端にある骨端線(成長板)が縦方向の成長を司る
    • 成長ホルモンや性ホルモン(エストロゲン・テストステロン)が骨端線を刺激して骨の長さを増加させる
  2. エストロゲンの作用
    • エストロゲンは骨端線を早期に閉鎖させる作用がある
    • 男性も女性も、思春期の終盤で自然にエストロゲンが増えると成長板は閉じ、最終身長が確定する
    • 服薬により人工的にエストロゲンが上昇すると、骨端線が早期に閉鎖され、成長が止まる可能性がある

3. 臨床上のリスク

リスク 具体例
身長の低下 成長期の途中で骨端線閉鎖 → 最終身長が低くなる
骨成熟の早期終了 骨端線の早期閉鎖により、予想身長より低くなる
骨代謝への影響 骨密度や骨の質への長期的影響は不明(思春期の骨蓄積に影響)

4. 対象年齢と注意点

  • 一般に思春期後半(約15〜17歳前後)で骨端線が閉じるとされる
  • しかし個人差が大きく、成長期かどうか不明な場合は禁忌
  • 骨年齢や身長の成長パターンを確認してから投与の可否を判断

5. 医師の対応

  • 骨成長が終了していない可能性のある女性は絶対禁忌
  • 避妊が必要な場合は、非エストロゲン系避妊法を優先:
    • プロゲスチン単剤ピル(ミニピル)
    • 子宮内避妊具(IUD/IUS)
    • コンドーム
  • 投与する場合は骨年齢評価(X線)などで骨成熟を確認することが望ましい

 6. まとめ

禁忌対象 理由 主なリスク
骨成長が終了していない可能性のある女性 エストロゲンが骨端線を早期閉鎖させ、最終身長に影響する可能性 身長低下、骨成熟の早期終了、骨代謝への影響