乳がんのリスク
ピルの服用と乳がんリスクの関係
ピルの使用と乳がんのリスクについては様々な研究があります。日本乳癌学会による乳癌診断ガイドライン2018年度版では、ピルの使用はリスクを増加させる可能性がある(エビデンスグレード:Limited-suggestive(可能性あり))としていますが、今後の検討も必要とされているところです。現在、乳がんを持つ患者へのピルの使用はWHO適格基準カテゴリー4(禁忌)です。また、乳がんの既往歴があり、細菌5年間で再発所見のない女性に対するピルの服用は、WHO適格基準カテゴリー3(通常はリスクがベネフィットを上回る)とされ、発症後5年以上再発がなく、他に適切な方法がない場合に慎重に使用すべきとされています。さらに、乳がんの家族歴がある女性は、ない女性と比較してリスクは高いものの、ピルの使用によってそのリスクは増加しない(WHO適格基準カテゴリー1)とされています。